叱ることの4つのデメリット 〜行動科学の視点から〜

褒める?叱る?

「私は子どもを褒めて育てたいです!」

「いや、叱ることも大切です!」

 

という、褒めるか叱るかは常に話題になりますが、今回は、「叱ることの4つのデメリット」を紹介します。

 

抑えておくこと

<前提①>

この叱るか褒めるか?を考える時に大切なことは、「子どもとの信頼関係」です。 

なぜなら、信頼関係があれば、褒めても叱っても大人の意図が伝わり、子どもたちは成長していくからです。

 

今回紹介する4つのデメリットは、信頼関係がない場合の出来事だとお考えください。

 

<前提②:行動科学で考える> 

人の行動は複雑に見えて、実は一定の法則があることがわかっています。

そして、人の行動の傾向は行動科学という形で、世の中の色々な場所で活用されています。

 

最も基本的な考えとして「人の行動はその前後の原因と結果で決まる」というものがあります。

原因→行動→結果

教育は、基本的にこの3つへのアプローチに分けられます。

 

 

4つのデメリット 

今回は、この行動科学を踏まえて紹介します。

 

【人で判断するようになる】

「電車で騒いでしまう」
「授業中におしゃべりをする」

このような悩みに対して「厳しく叱ることが大事」というアドバイスがあります。

 

これは、
騒ぐ(行動)→怒られる(結果)
 と大人がマイナスの結果を与えることで、

静かにする(行動)→怒られない(結果)
という変化を期待しての行動です。

 

これは、叱った側は、「大人しくなったからOK」と見えます。

一方、ここで把握しておきたい事は、「人は結果と原因の2つ学習をする」ということです。

 

つまり、騒いで怒られた子どもは、

◯先生がいる(原因)→静かにする(行動)→怒られない(結果)

という行動結果を学習すると同時に、

◯先生がいない(原因)→騒ぐ(行動)→怒られない(結果)

という原因の違いについても学習をしているのです。

 

つまり、叱るという「人」によって行動を変えようとすると、「人の有無で行動を変える」という学習も同時に起こるのです。これは叱った人からは、「自分がいない時」の観測はできないので見えません。

 

つまり、今まで何もなかったところに「先生がいないなら騒いでも大丈夫!」という行動を学習してしまったので、行動面では悪化していると言えます。

 

【伝染する】

 

騒ぐ(行動)→怒られる(結果)

というマイナスの結果を得たときに、人は結果の周囲にある者もマイナスの印象を持ってしまうことがわかっています。

 

つまり、

叱られた→先生嫌い→先生の授業も嫌い→先生がいる学校も嫌い・・・

と本来関係のないものまで嫌われてしまうのです。

 

これは、集団で指導を行う学校等では叱るタイプの先生がいるために、多くの無関係な人まで、マイナスの印象が伝染してしまい非常に不利に働きます。(本人は得意げであるケースは多いですが・・・)

よって、叱る先生がいることで「学校嫌い=不登校」となるケースは多々あります。

 

また、基本的に首にならない学校の先生とは異なり、塾や保育園、幼稚園など事業で行っている場所では、子どもが来ないと利益が出ずに潰れてしまいます。

 

よって、叱ることは、組織全体にも不利益を被る行動であると理解しておく事は大切です。

 

【反撃する】

子どもに限らず、人は「叱られる」という行動を「攻撃されている」と解釈します。そして、「人は攻撃されたら、即座に反撃する」という性質を持っています。

 

なぜなら、生き物にとって「攻撃=死」であるので、生存のために即座に逃亡or反撃をするようにプログラムされているからです。

 

よって、子どもの行動に対して即座に叱ってしまうと、子どもは反撃モードになります。もちろん、自分より大きい大人に対して暴力に出るケースは少ないですが、頭の中では反撃の気持ちでいっぱいなわけです。

 

この反撃モードの状態では、「大人の話を理解する」という理性的な行動に使える余力が減ります。

特に、困難のある子であるほど、大人の言葉を納得する余裕はないので、ストレスとフラストレーションが溜まり、別の場所で爆発します。(これが「八つ当たり」という現象です)

 

【モデルとなる】

子どもには、本能的に行う行動と、周囲の人をモデルにして獲得していく行動があります。

 

 つまり、大人が叱ったり、怒ったりする行動を見せるほど、子ども大人をモデルにして、自分より弱い子に「叱る、怒る」という行動が増えていきます。

  • 虐待家庭の子どもは、他害行動が増える
  • 叱る先生のクラスで、暴言暴力が増える

これらは、子どもが行動を学習した成果というわけです。

 

また、「大人がいるところでは、問題を起こさない」という子も、成長期に入ると体と頭脳も大人を超えた途端に、親や教師への暴言暴力が始まるケースがあります。

「子どもを変えたければ、まず大人から」ということです。

 

終わりに

今回は叱ることのデメリットを紹介しました。

 

しかし、前提でも話しましたが、これは信頼関係がない場合の話です。

逆に言えば、信頼関係を結ぶ方法があれば、叱ることなく、子どもたちに行動の意味を説明して、納得して動いて成長につなげることができます。

 

極端に言えば、納得して動いてもらうことができれば、褒めることも叱ることも教育では必要ありません。

何が大切なのかを考えて、行動していきたいですね!

 

以上です、読んでいただきありがとうございました(^ ^)

 

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