凸凹マップ!第1回【後編】発達障害体験談〜苦手じゃないことを細々と〜

シリーズ「凸凹(でこぼこ)マップ!」は、発達障害当事者の人たちの体験談をまとめた連載です。

発達障害は(でこ…得意な部分)と(ぼこ…苦手な部分)の差が大きい障がいと言われています。
詳しくは発達障害とは何か? 〜法律に基づく3つの特徴〜をご覧ください。

こうした発達障害について、まだまだ世の中には認知されていない現状があります。目には見えづらい障害だからこそ、なかなか周囲に辛さを分かってもらえず、苦しい思いをしている当事者の人たちが多く存在しています。

シリーズ「凸凹マップ!」は、そうした人たちの手助けをするために執筆しました。この連載が、発達障害で悩む当事者、保護者、支援者の人たちの、障害を理解するヒントになれば幸いです。

前編のふりかえり

ももんがさん

  • 男性 
  • ADHD(注意欠陥・多動性障害)ASD(自閉症スペクトラム)当事者
  • 手帳は未取得
  • 福祉職(一般就労)
  • 発達障害を持つ人のための自助会「すもうるとーく」「発達パートナー自助会」などを関西で主宰
  • Twitter@5959concerta

前編では、ももんがさんの子どもの頃から発達障害の診断を受けるまでを振り返り、語っていただきました。

「発達障害の診断を受けたことで対処法が分かり、希望が見えた」と話すももんがさん。
しかし数多くの挫折もあったそうです。

後編では、成人になった後、今のお仕事に就くまでの過程を綴ります。

発達障害体験談

二次障害を発症し、うつ状態に

引き続きよろしくお願いします!
今のお仕事に就くまでの過程を聞かせてください。

精神的な落ち込みから、うつ状態のようになってしまい、しばらく外出が難しくなりましたね。

なるほど・・・
発達障害の当事者の方には、精神疾患などの二次障害を発症する方も少なくないと聞きます。

(※二次障害については、発達障害の二次障害とは?〜原因・症状・行動〜【予防と対応のステップ】をご覧ください。)

体調を見ながら、知人の紹介で他の飲食店などでも数年勤務しましたが、職場の同僚から嫌がらせを受けてしまい、人間関係がなかなか上手くいかず・・・

精神疾患だけでも大変なのに・・・
それは辛かったですね。

苦しみながらも自己分析を進めた

周囲の理解が得られないまま、苦しい状況に何年も耐えたももんがさん。
色々な種類の仕事を経験する中で、諦めずに自己分析を進めていったそうです。

とにかく、紙にたくさん書きました。
自分は何がイヤか、何がダメか?
今まで色々なところで一生懸命頑張りましたが、頑張った結果上手くいかなかった。
逆に、頑張ったせいでダメだったのかもしれないと。

発想を変えたのですね。

頑張らない場所を探そうと考えました。
そこから先は、自分のダメなところを開示することにしたんです。
面接で「できないこと」を全て説明して、採用されたのが今の会社ですね。

自身の障害をオープンにした上で、理解のある職場にたどり着いた、ももんがさん。
手帳は取得していないため、現在は一般枠で就労しているそうです。

発達障害を持つ人の中には、障がい者雇用という雇用枠で働く人もいます。
障がい者雇用については障がい者雇用とは?〜対象となる人、現状(人数、賃金など)〜をご覧ください。

苦手じゃないことを細々とこなして生きていくスキル

今のお仕事は、福祉職をされているそうですね。
ももんがさんにとって、向いているお仕事ですか?

向いているかは分かりませんが、苦手ではありません
発達障害者には「向いていることを探すスキル」よりも、「苦手じゃないことを細々とこなして生きていくスキル」の方が大切だと思いますね。
得意不得意に大きなバラつきがあるわけですから、向いていることはなかなか見つかりづらい・・・

苦手じゃないこと・・・

どうしても苦手なことをあらかじめリストにしておくんです
私の場合は

・マルチタスク
・人に気を遣う

といったことが苦手でした。だからこうした要素を含む仕事を除外していって、残った仕事をやることにしたのです。

なるほど、「どうしても苦手なこと以外」という条件で探されたのですね。
業種も職種も広くなって、選択肢の幅が広がるかもしれません

特別な才能を活かそうとか、
キラキラしようとか、しなくても良いんです。

しんどくない場所で、
普通に生きていけたら良いと思います。

自己分析をして苦手と向き合い、「苦手ではない仕事」を見つけたももんがさん。


頑張らず、肩の力を抜いて、しんどくない場所で生きていく


懸命に努力をしてきたももんがさんだからこそ、こうした人生訓を考え付いたのだと思います。
「キラキラしていなくても良い」という言葉に励まされる方も多いのではないでしょうか。

過去の経験談など、踏み込んだ質問にお答え頂き、ありがとうございます。
ご自身の経験を通じて、社会に対してこうなったら良いなという希望はありますか?

「どんな立場の人でも、苦手を開示しやすくなる社会。苦手に対して寛容である社会」ですね。

発達障害に限らず、どんな人でも人に迷惑をかけて、頼って生きていると思います。「お互い様」なんですよね。
弱さを開示しあって、互いに補い合うことができる社会になったら良いなと考えています。

最後に、今発達障害に悩んでいる当事者の方達にメッセージやアドバイスをお願いします。

アドバイスですか・・・
3つあります。

①何かのせいにするステージはあっても良いと思います。

親や障害のせいにしても良いんです。
そうしないと、向き合うことができない。客観視して考えられないんですよね。

②「働くこと」が全てではないです。

働けない状況を責めないことです。
大切なのは自分のできることの範囲で生きていくことです。
何が幸せかは、自分自身が決めることですから。

③ぜひ自助会に行ってください

多くの地域に発達障害当事者のための自助会があります。
仲間が見つかるし、自分の困り感を客観視する、良い機会になります。

ありがとうございました。

「凸凹マップ!」第1回まとめ

発達障害の当事者の方にお話を伺い、ひとつのロールモデルにまとめるシリーズ「凸凹マップ!」、第1回の取材が終わりました。


ももんがさんがご自身の特性と向き合い、懸命に生き抜いた軌跡を綴ってゆきました。
試行錯誤しながら生きる中で、人生訓をしっかりと積み重ねていらっしゃる方なのだと感じました。


「私と同じ当事者の方の助けになるなら」と、辛い経験やデリケートな部分の話も、快く取材させてくださいました。
ももんがさん、ご協力頂きありがとうございました。

記事中で触れた、ももんがさんの自助会についてですが、月に1回、京都や大阪で開催しているとのことです。

興味があればぜひ1度お越しください。

さかいハッタツ友の会・運営ブログに開催予定が書いてあります。
私のTwitterのIDは@5959concertaです。

とても気楽な会で、参加しやすいそうですよ!


また色々な当事者の方達にお話を伺っていきたいと思います。




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