ADHDの人が遅刻する3つの原因

遅刻が多い

ADHD(注意欠如多動症)を抱える人の特徴として「遅刻が多い」という特性があります。

日本では、
遅刻=相手の時間を奪う失礼な行為
という認識が一般的であり、遅刻が多い人は生きづらさを抱えることが多いです。

そのため、ADHDを抱える人が遅刻が多い理由を理解することで、当事者と周りの人の相互理解が進み、困り感が減りやすくなります。


なぜ遅刻をしてしまう?〜理由と対処法〜

ADHDで遅刻が多い人の中でも複数の要因があります。
以下で代表的な3つの原因とその対策を紹介します。

1、不注意

1つ目は、不注意が原因で遅刻するパターンです。

ADHDの人はワーキングメモリ(=複数の記憶を保持する記憶の力)に困難を抱えるケースが多いです。

そのため、目的に着くまでに必要な物事を忘れることが多く起こります。

▶︎ 自転車の鍵を家に忘れる
▶︎ 電車の定期を忘れる
▶︎ SUICAにお金をチャージし忘れる
▶︎ 忘れ物をして途中で買い足す
▶︎ 学校で必要な道義を忘れて取りに帰る

この不注意が一般的な人よりも遥かに多く発生するため、結果的に時間が足りなくなってしまうのです。

対策としては、「不注意が起きないよう日頃から注意をする」「メモをつけてチェックする練習」などが考えられます。

しかし、ADHDはそもそもワーキングメモリが低いという状態ですので、これらの活動は習得しにくく、かえって精神的な負担が増え、行動が悪化するケースもあるので注意が必要です。

そこでおすすめの対策は、「持ち物の環境調整」です。

例えば、

▶︎仕事に必要なものを全て鞄にまとめて常に持ち歩く
▶︎持ち物はPCにデータで全て入れて、持ち物をパソコンだけにする
▶︎クラウドにデータ保存して、どんな場所でも取り出せるようにする
▶︎学校に必要な道具は全て置く(=置き勉)
▶︎交通費は自動でSUICAにチャージされる設定にしておく

など、そもそも「必要に応じて持ち物を変える」という環境を無くすことで、通勤でのイレギュラーが減るため遅刻も減ります。

これは比較的実行しやすく、本人の能力に左右されないので合理的配慮としても有効な方法となります。


2、ドーパミンの調整困難

人は仕事・活動があると、ドーパミンという神経伝達物質を出して集中力を高めて活動を行います。

朝、起きて予定に間に合うように準備して家を出ることができるのはこのためです。

一方、ADHDはこのドーパミンがうまく働かず家を出るための行動ができないケースがあります。

例えば、予定が「学校で遠足に行く」「ディズニーランドに遊びに行く」「初めてのデート」など、興味関心の高いイベントに関してはこのドーパミンが出やすいので、ADHDの人であっても時間通り行動することができます。

しかし、興味のない出来事だとこのドーパミンが出ないため体が目覚めず動けなくなり、

「行こうと思っても、やる気が出ない」
「動きたいのに体が動かない」

という状態になり、予定に間に合わなくなるのです。

ちなみに、遅刻が確定すると「怒られる」という状況だと、緊張感を司どるノルアドレナリンが出て行動を開始することができます。

これにより。「予定時刻よりもちょっと遅れる」という現象が起こります。

対策は1つに「興味のない活動の前に、自分にとって楽しい活動を組み込む」という方法があります。

例えば、遅刻の多い小学生の子には「朝学習に、その子の好きな活動を入れる」など設定すると、早めに登校することができます。

他には授業に遅刻してしまう大学生であれば、「1限目前にコンビニで今週発売のジャンプを買って読む」など好きな活動を組み込むことで活動がスムーズになります。

このように、楽しい活動であればADHDの人であってもドーパミンが働きやすいので、遅刻が減りやすくなります。

3、報酬系回路の困難

ADHDの人は「報酬系回路の困難」を抱えていることが多いです。簡単に言えば「目の前の報酬を我慢ができない」という症状です。

例えば、

▶︎ パチンコ屋さんを前を通るとつい入ってしまい用事に遅れる
▶︎ 道端の猫を見かけると追いかけてしまい遅刻する
▶︎ 新しい道を見かけると、つい進んでしまって、普段より時間がかかり遅刻する

など一般的には回避できる状況でも、目の前の報酬に我慢ができず、時間を使ってしまうのです。

対策としては、「友達と一緒に目的地に向かう」などがあります。報酬があっても友達に注意してもらうことで反応せずに済みます。

また、「出発地と目的地の距離を減らす」という方法もあります。

例えば、学校や会社までの距離が遠いと、それだけ目の前の報酬に出会う確率が上がります。

しかし、「学校が家の目の前」「会社まで徒歩3分」などの環境であれば、誘惑に出会う機会が出るため、時間通り活動しやすくなります。

このように、不確定要素を減す対策が、ADHDの遅刻には有効となります。


最後に

今回はADHDの症状から起こりやすい遅刻の原因と対策を紹介しました。

大切なことは、ADHDという症状を理解して、本人の意識で制御できる部分と、制御できない部分を分けて考えることです。

意識では制御できない内容は、無理に努力で変えようとせずに、環境調整で対策することがADHD当事者の生活と心の健康を守ることにつながります。

当事者、支援者の相互理解を進めることで遅刻に関わる問題を減らしていきたいですね(^ ^)

以上、参考になれば幸いです!



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