ASD(自閉症スペクトラム)の基本 〜3つの特徴〜

ASD(自閉スペクトラム症)

自閉スペクトラム症(以下ASD)は、昔は自閉症障害、アスペルガー症候群、高機能自閉症、広汎性発達障害など色々な名前で呼ばれていました。それだけ、症状の状態が複雑だったということですが、現在では全て連続体(スペクトラム)であり、同様の症状の現れ方が異なっていると考えられているので、ASDで統一されました。

主な特徴としては、「社会性の困難」「こだわり行動」「感覚の困難」の3つの症状が挙げられます。特に、感覚の困難は、診断基準では「こだわり行動」の1つに分類されていますが、近年ASDを抱える人の8〜9割が感覚の困難を持っていることが知られてきました。

そして「感覚」の問題は社会性やこだわり行動にも影響を与えていると言われており、ASDの代表的な特徴として紹介されるようになりましたので、特徴の1つとして紹介させていただきます。


 以下では、この3つの症状を紹介していきます。

① 社会性の困難

社会性の困難は、簡単に言えば「コミュニケーションが取りにくい」という症状です。

 複数の要因が重なって現れることが多いですが、

  • その場に適していない行動をとってしまう。
  • 皮肉や例えが通じない
  • 集団になると会話ができなくなる
  • 声をかけても反応しない
  • 指示をしてもすぐに動けない

などの行動が知られています。

このような行動をしてしまう要因の1つに「言語の苦手さ」があります。一昔前は、ASDは言語の障害だと認識されていた時代もあり、言語の認識が苦手な子が多いです。

例えば、国語の文章読解や算数の文章題が苦手なASDの子は多いですし、言い回しや例えなどの比喩表現が通じない、ということも多いです。下校の時に「まっすぐ帰るのよ!」と声をかけると「壁に当たっちゃうよ!」と真面目に返事をされ、「道草食わないでね!」と声をかけると「草なんか食べないよ!」とプンプンしながら答える。このような経験がある人はいると思います。

 実は、人間は言語能力が低いと、誰でもASDのような行動をとってしまうと言われます。

 例えば、英語が話せない人が、アメリカへ旅行に行くと、言葉がわからないので、周囲を見てキョロキョロしたり、話しかけられても「自分に話かけられている」と気づけず反応が遅れたりします。
 あるいは、例えや現地の言い回しを使われたりすると、慣用句だと気づかず言葉をそのまま受け取ってしまうこともあるでしょう。

 このように、ASDの人の行動には、「言語能力の困難さ」が関係しているケースは多いです。

② こだわり行動

ASDの2つ目の症状は「こだわり行動」です。

こだわり行動も、様々な現れ方を指しますが、例えば、電車の時刻表や野球名鑑など身近なものから、幾何学模様、デジタルなど特定の物に強い興味を持つ様子が見られます。同時に、好きなもの以外のものに、ほぼ興味を持たない、という子もいます。

この好きなものとそれ以外の興味の振れ幅が大きいというのが特徴です。

他にも、手のひらをひらひらさせたり、ミニカーを並べたりするといった行動で紹介されることもありますし、一度決められた時間割や手順を乱されるとパニックになるという「自分のペースへのこだわり」という形で紹介されることもあります。

最近は、ASDの「◯◯オタク」「職人気質」というイメージを長所と捉える人が徐々に増えています。発達障害は、「本人が困っている」という現状が問題ですので、周囲が個性として理解してくれれば困りごとは消えます。こだわり行動を問題とするのではなく、周囲の環境へアプローチして、困り感を減らしていくことが重要です。

③ 感覚の困難

ASDを抱える人には、およそ8〜9割の人が感覚の困難を子が持っていると言われます。種類としては、

  • 過剰に情報を拾ってしまう感覚過敏
  • 感覚刺激を感じることができない感覚鈍磨(低反応)

の2種類に分かれます。

 感覚過敏で有名なものには、聴覚過敏があります。これは、普通の子にはなんでもない音が、過剰に大きな音に聞こえてしまうという特性です。

 例えば、聴覚過敏がある私の友人は、学生時代に座席が一番後ろの席だった時は、隣のクラスの先生の声まですべて拾ってしまい、2つの授業を同時に受けている感覚だったと言います。他にも、ASD当事者作家として有名なニキ・リンコさんは、強い視覚過敏や聴覚過敏をもっていたため、スーパーに入ると、蛍光灯の光や宣伝の音が痛いと感じられてしまったために、スーパーに入れなくなった、というエピソードを語っています。

 このような感覚過敏のある人の困り感は、NHKの「クローズアップ現代」などで取り上げられ、一般の方にも広く知られてきました。一方、感覚の過敏は、脳の特性なので、基本的に慣れて平気になる、ということはありません。感覚過敏のない人も、例えば「黒板を引っ掻く音」を嫌っている方は多いと思います。しかし、黒板を引っ掻く音を何時間も聞いたら慣れることができるでしょうか?もちろん、どんなに聞いても慣れることはできません

同じように、聴覚過敏は体の特性なので練習で克服するものではありませんが、悲しいかな努力すれば克服できると、いまだに信じる人は現場を含めて一定数存在します。しかし、これは身体の特性なので大人や支援者が配慮する事項です。この事実をよく理解することが必要です。

一方、感覚鈍感の子への支援は、まだ十分ではありません。実は、学校や療育現場のでは、感覚鈍麻への支援知識が有効な場面は多いです。(これは、今後の記事で紹介していきます(^ ^))

最後に

今回は、ASD(自閉症スペクトラム)について紹介しました。紹介した特徴以外にも、ASDは様々な傾向と特性があります。

今後もより詳しく色々なテーマで紹介していこうと思いますので、よろしくお願いします(^ ^)

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